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January 08, 2005

クロムモリブデン『ボウリング犬エクレアアイスコーヒー』

 年末から新年にかけて東京・王子小劇場でクロムモリブデンの「ボウリング犬 エクレア アイスコーヒー」公演(12月29日-1月3日)が開かれました。佐藤佐吉演劇祭の掉尾を飾るこの越年公演に関して、さまざまなレビューが掲載されています。
 「しのぶの演劇レビュー」は「期待していたよりも面白かった!はっきりと独自色があるってことの強さを思い知りました。関西の劇団なのに関西っぽさをアピールしていないのも良いです」と温かな扱いです。

  「デジログからあなろぐ」はもっと熱くて、「生半可に芝居を見ている者には味わえない感覚・・・それが「演劇好きで良かった」の瞬間です。この作品は、そんな瞬間を私に齎してくれました」と芝居の世界に入りこんでいます。
 「休むに似たり。」は「物語とは明らかに関係のないような遊びが楽しい。みてるうちに妙なグルーブ感が出てくるのです。勢い、物語は追いづらい」と、いつもながら距離感のある見方です。

 この公演は、ネット上で知り合った自殺志願者と他殺願望者がそれぞれ、「影法師」と名乗る女によって山奥に集められるという設定です。近くのボーリング場で出合う2組の集団と、殺し屋の男女、それにボーリング場の再興を計画している男女(兄妹?)が入り乱れてドラマが進行します。米国のコロンバイン高校で起きた乱射事件で、直前に実行者がボーリングをしたことが影響しているという記載が報告書にあったと、劇中でなんどか触れられます。しかし「物語を追うよりは、会話の断片が楽しい」というのは、こういう筋書きが十分消化されていないという指摘なのでしょうか。

 「踊る芝居好きのダメ人間日記」はこの点について「ストーリーに、それほど惹きつけられません。分かり難いとかいうわけでもないんですが、なんか今さら感が漂ってしまうんですよね。集団自殺とかコロンバイン高校とか。一周遅れて走っているような」と生の感想を漏らしています。
 「Review-lution! on-line」はもっとストレート。「刺激的なシチュエーションながら、特に劇的事件が起こるわけではない。自殺と他殺という問題や、主人公の女性の離人症的心象風景<ボウリングレーンの上を走るどうしてもまっすぐ走れない犬を、エクレアを食べながら見ている自分>、コロンバイン高校の銃乱射事件など、奥の深い題材を用いながら、それを明確にかみ合わせることがうまく出来なかったようだ」と書いています。

 ぼくも2日の公演をみましたが、芝居の作り方を心得た集団という印象を受けました。起承転結をかちっと決めることよりも、劇団の関心はむしろ照明や舞台美術、衣装などを駆使して、パワーとアイデアを客席にめまぐるしく放射することに向けられているような気がします。サービス精神というか、よい意味で職人芸に秀でているのではないでしょうか。才気と才能を存分に感じます。古い話で恐縮ですが、「疾風Do党」の舞台をチラッと思い出しました。作・演出の福田卓郎はいま映画やテレビドラマでも活躍しているので、ご存じの方もいるでしょう。この劇団は現在、Dotoo!(ドトォ!)と名乗っているようですが、ステージを見ていないので「昔の名前」を出しました。ご容赦のほどを。
(北嶋孝@ノースアイランド舎)

クロムモリブデン公式サイト
■ボウリング犬 エクレア アイスコーヒー
■作・演出 / 青木秀樹
■出演 / 森下亮・金沢涼恵 ・板倉チヒロ・山本景子
   重実百合・信国輝彦・奥田ワレタ・齊藤桂子(dd69)
   大沢秋生(ИEUTRAL)・岡本竜一
■大阪公演 2005年1月23日(日)~25日(火)

Posted by KITAJIMA takashi : January 8, 2005 11:44 PM | Trackback
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