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July 29, 2005

「キレイ-神様と待ち合わせした女」(作・演出:松尾スズキ)

 Bunkamuraシアターコクーン公演「キレイ-神様と待ち合わせした女」(作・演出:松尾スズキ、東京公演7月6日-30日、大阪公演8月7日-12日)はなかなかの評判です。2000年6月、松尾スズキがシアターコクーンに初進出し本格的ミュージカルに挑戦した「キレイ」の5年ぶりの再演です。

 「しのぶの演劇レビュー」サイトは、会場で販売されているパンフレットを引用する形で、次のようなあらすじを紹介しています。

三つの国に分かれ、100年もの間、民族紛争が続く“もう一つの日本”。民族解放軍を名乗るグループに誘拐され、監禁されていた少女(鈴木蘭々)が、10年ぶりに地上へ逃げ出す。過去を忘れた少女は自らケガレと名乗り、戦場でたくましう生きるカネコ一家に加わる。カネコ一家はダイズでできているダイズ兵の死体回収業で生計を立てていた。回収されたダイズ兵は、食用として加工される。その頂点に立つダイダイ食品の社長令嬢(秋山菜津子)と奇妙な友情で結ばれていくケガレ。戦場をうろつき、死体を拾って小銭を稼ぐ、そんな健気なケガレを見守るのは、成人したケガレ=ミサ(高岡早紀)だった。時空を超えて交感するケガレとミサ。しかし、二人は、もう一つの視線におびえ始める。それは一体、何者なのか。過去、現在、未来の時間が交錯する中、ケガレは、忘れたはずの忌まわしい過去と対決してゆくことになる。

 主役のケガレ役に予定された酒井若菜が体調不良で降板し、代わって鈴木蘭々が出演。ミサ(成人したケガレ)には今夏公開される松尾監督の短編映画「夜の舌先」主演の高岡早紀。スズメバチに脳を刺されバカになったハリコナには、昨年「透明人間の蒸気」(野田秀樹作・演出)で主演した阿部サダヲ。成人したハリコナには松尾作品初登場の岡本健一。ほかにも劇団☆新感線の橋本じゅん、「悪霊」以来の松尾作品となる大浦龍宇一、初演から引き続き松尾が全幅の信頼を置く秋山菜津子、片桐はいり。脚本家だけでなく今年は監督デビューも果たした宮藤官九郎ら大人計画メンバーも多数出演しているようです。

 劇団アロッタファジャイナ主宰のマツガエさんが綴る「正しくも松枝日記」は初演もみているようですが、この再演にさらに強い感銘を受けているようです。

すばらしー舞台でした。
つーか濃すぎ。
つーか詰めすぎ。
歌、踊り、そして地のストーリー部分・・・
5年前よりエンターテイメントアップしている役者たちの演技・・・
かなりのテンコ盛りで、ものすごい集中力発揮で見た僕ははっきり言って、昨日、家帰って死にました。
とくに後半、夢と現実が交差するというか朦朧とする部分は僕もマジ朦朧として・・。 (略)
初演見ているくせにこんなに深い話だっけみたいな
別の話、見ているみたいな、そんな気になりました。

 「Somethig So Right」の BlankPaper さんも「長くて最後まで集中して見続けるとかなり疲れるが、自分としては大満足の舞台であった」「エンターテイメントでありながら、心の深層をえぐっていくような松尾ワールドの集大成的大作である」と述べています。

 初演と比べてやや違った見方をする人もいるようです。「某日観劇録」の六角形さんは「『キレイ』初演が松尾スズキ作品初見でした。面白さは今でも印象に残っていたので期待度が高すぎたこともあると思います。十分楽しかったのですが、大満足までは到りませんでした。初演の印象が強すぎて」と書き留めています。

 ほかに「Review-lution! on-line」の横田宇雄さん、「mamiの観劇覚書」のfurupandaさん、「エンタメに生きる。」サイト、「小春日和」サイトのshimadora さんらがレビューを掲載し、俳優の演技などにふれています。

 シアターコクーンのWebサイトには、作・演出の松尾スズキの短いインタビューと舞台の抜粋(4分20秒余り)が動画で載っています。関心のある方はご覧ください。


[上演記録]
Bunkamuraシアターコクーン公演「キレイ-神様と待ち合わせした女
上演時間: 1幕: 1時間35分 休憩: 15分 2幕: 1時間40分
合計: 3時間30分 強
会場: Bunkamuraシアターコクーン
公演日程:2005年7月6日-30日

Cast
ケガレ 鈴木蘭々
ミサ 高岡早紀
ハリコナA 阿部サダヲ
カネコキネコ 片桐はいり
ダイズ丸 橋本じゅん
マジシャン 宮藤官九郎
ジュッテン 大浦龍宇一
カネコジョージ 松尾スズキ
ダイダイカスミ 秋山菜津子
ハリコナB 岡本健一
ほか

Staff
作・演出 松尾スズキ
音楽 伊藤ヨタロウ
美術 高野華生瑠
照明 大島祐夫
衣裳 戸田京子
音響 山岸和郎
映像 上田大樹
振付 康本雅子
ヘアメイク 大和田一美
演出助手 大堀光威
舞台監督 青木義博

Posted by KITAJIMA takashi : July 29, 2005 08:21 PM | Trackback
コメント

いつもご紹介ありがとうございます。「キレイ」の初演は劇場で観ていないため、比較できませんでした。でもときどき思うのは、初演をみているがゆえに、「比較」という眼に縛られてしまうこともあるのでは、ということです。だから初演をみていない再演を観る時は、初演をみていない幸福というものがあると信じて観ています。

Posted by: BlankPaper(今井) : July 30, 2005 03:16 PM

こちらこそいつもお世話になっています。
「初演をみていない幸福」ですか。なるほど。そう言えばぼくも、再演で初演時以上の感興が得られた記憶があまりありません。対象となる芝居のストーリー展開などにもよるのでしょうが、演劇としてのドラマ性意外性は、初演向きなのかもしれませんね。よく使われる「ネタばれ」というタームは、ミステリ(小説や映画)の世界と共通していて、いわゆる文学や音楽の世界ではほとんど見受けられません。「ネタばれ」の敷居を越えると「レパートリー」になるのでしょうか?

Posted by: 北嶋孝@ノースアイランド舎 : July 30, 2005 05:26 PM
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