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August 23, 2005

東京黙劇ユニットKANIKAMA 「collection vol.2」(続)

 「おはしょり稽古」のあめぇばさんが東京黙劇ユニットKANIKAMA 公演を「夏の空き地におじさんが二人」というタイトルで取り上げています。二人のマイムがチャップリンではなく、無声映画時代のディズニーを連想させるというポイントを押さえながら、日本的な「間」について次のように指摘しています。

このソロパフォーマンスも、特筆すべきは「間」だと思う。さぁ始まるぞ、決着つくぞ、ってところでカメラが応援団の風景を映す。鍵が無い無い無いって捜してるサラリーマンがふっと冷蔵庫開けて涼んでしまう。ついでに中のアイスかなんか食べてくつろいでしまう。ついでに言うと本田愛也の女役はどれもミニーマウスやベティーちゃんに似ていた。

なるほど。指摘が具体的で納得、でした。なるほど。

Posted by KITAJIMA takashi : 04:54 AM | Comments (0) | Trackback

August 21, 2005

東京黙劇ユニットKANIKAMA 「collection vol.2」

 パントマイムを中心に活動する小島屋万助さんと本多愛也さんの2人が作るユニットKANIKAMA。カニカマボコが名前の由来らしいのですが、ぼくがみた最終日18日のステージはどうしてどうして、鍛えの入った技だけでなく、緩急を効かせたソロマイムやボケとツッコミのコンビ芸に涙が出るほど笑ってしまいました。「デジログからあなろぐ」サイトの吉俊さんが的を射たレビューを掲載しています。ちょっと長めになりますが、次のように報告しています。

黙劇ということで、作品としては基本的に演者2人のパントマイムで物語が進みます。 全部で5作品、それぞれにタイトルが付いておりまして、明確な状況設定がタイトルでなされます・・・トータルで1時間20分。一番初めの作品がペンキ塗りの作品だったのですが、この作品があんまり面白くなかった・・・(略)劇場の笑いもクスクスぐらいで、正直残り4作品が思いやられる作品だった。 けど、その残りの作品は一番初めの作品とはうって変わって、マイムの面白さを多方向から切り開いてみせてくれる作品群でした・・・どの作品も面白かったなぁ。 特に度肝を抜かれたのは、本多愛也さんが1人で演じられた「白球」・・・2本目の作品です。(略)大勢の人間をたった1人で演じ分けるという凄さもあるわけですけど、それ以上に感心したのは、作品構成の上手さです。

やっぱり、見抜いているのですね。

 小島屋万助さんの「出勤」(第3作)は忘れっぽいサラリーマンがカギの所在が分からなくなる動作を飽きもぜず繰り返すことから生まれるおかしさがモチーフでしょうか。4作目の「占い師」は通りかかったサラリーマンをなんだかんだと言いながら占いに引きずり込み、お金を巻き上げる一幕。「雨に唄えば」のバックミュージックも生きていたと思います。5番目の「対局」は将棋で張り合う2人の息の合った遣り取りです。

 なかでもやはり2作目の「白球」が抜群のおもしろさでした。本多さんが野球の形態模写をするパフォーマンスです。投手、捕手、打者、応援団、審判などの動きを次々と1人で表現します。その方法がまた多彩でした。

 まずある動作の終わりが次の動作の始まりにシームレスに接続しているのです。例えば、投手が捕手のサインをのぞき込み、首を何度か振った末に投げるのですが、その投球動作がそのまま打者のスイングに接続され、さらにキャッチャーの捕球動作へと滑らかに一連の動作として表現されます。さらに打者が走り、野手が捕球、送球。塁審が両手を上げてセーフの判定、と思ったら左右に伸ばした両手は前後左右に規則的に振り下ろされたり振り上げられたりして応援団のしゃちほこばった動きに変わり、太鼓叩きや校旗持ちのユーモラスな動きに移行するのです。ある時はゆっくりと、ある時はずんずん加速していきます。簡単なように見えて、練り上げた技が生かされているように思えました。夏の高校野球大会が開かれている最中でしたので、舞台がいっそう身近に感じられました。

 もうひとつ、連続技のほかに、動作の切り替えにアクセントを付けて反転したり、切り替えをあえて明示する方法も随所に見られました。連続と反転、それに緩急。これらは身体表現の基本なのでしょうが、そんか小難しいことはまるで感じさせないまま15分余りの熱演で観客を笑いの渦に巻き込んでしまいました。いやはや、参りました。

 演出の吉澤耕一さんは、遊機械◎全自動シアターの初期に構成・演出を担当していました。確かにその舞台はいろいろ工夫されて作られているのですが、見る側の緊張や警戒心を気付かないうちに解き放ち、いつのまにか劇の中にぼくらを溶け合わせる心憎い技を発揮していたと記憶しています。その手法は健在でした。2人の技だけでなく、演出の目配りが効いていたと思います。


追記(8.23)
 「おはしょり稽古」のあめぇばさんが東京黙劇ユニットKANIKAMA 公演を「夏の空き地におじさんが二人」というタイトルで取り上げています。二人のマイムがチャップリンではなく、無声映画時代のディズニーを連想させるというポイントを押さえながら、日本的な「間」について次のように指摘しています。

このソロパフォーマンスも、特筆すべきは「間」だと思う。さぁ始まるぞ、決着つくぞ、ってところでカメラが応援団の風景を映す。鍵が無い無い無いって捜してるサラリーマンがふっと冷蔵庫開けて涼んでしまう。ついでに中のアイスかなんか食べてくつろいでしまう。ついでに言うと本田愛也の女役はどれもミニーマウスやベティーちゃんに似ていた。

なるほど。指摘が具体的で納得でした。なるほど。


[上演記録]
東京黙劇ユニットKANIKAMA 「collection vol.2」
新宿タイニイアリス(8月16日-18日)

出演 小島屋万助(小島屋万助劇場)、本多愛也(ZOERUNAassociation
演出 吉澤耕一
照明 吉澤耕一
照明操作 青山崇文、根本諭
音響 木下真紀、吉岡英利子
音響操作 吉岡英利子
舞台監督 杉原晋作
宣伝美術 中山京子
宣伝写真 伊東和則
記録 藤本真利
制作 Kanikama制作部

Posted by KITAJIMA takashi : 10:27 PM | Comments (0) | Trackback

August 18, 2005

ミュージカル「きかんしゃトーマスとなかまたち」

 旧知の飯塚数人さんから、子供向けミュージカル「きかんしゃトーマスとなかまたち」について書いたとのメールを受け取りました。関連サイトもあちこち見て回りましたので、一緒に紹介します。

 「きかんしゃトーマス」シリーズと聞いて「懐かしい」という方もいるでしょう。「子供と一緒に絵本を読んでいる」「テレビで見ている」という子育て中のパパやママがいるかもしれません。子供向け番組や絵本の定番の一つなのでしょう。
 イギリスで2002年に上演された「THOMAS the TANK ENGINE ~きかんしゃトーマスとなかまたち~」は、27万人を動員したヒット・ミュージカル。海外初公演としてこの夏、東京・お台場で上演中です。本物さながらの「トーマス」、「パーシー」などのおなじみの機関車がステージ上を駆け回り、TVシリーズで親しまれている俳優たちの日本語吹き替え版で歌と物語が進行するそうです。

 驚くのがその上演期間と回数です。7月16日から始まり8月31日まで1日2回、計47日間94公演です。大人4000円、子供3000円ですから、家族で平均12000円の入場料と計算し、1公演の入場者数をざっと200人とすると、入場料収入だけで軽く2億円をオーバーします。入場者が300人、400人平均だと…。追加公演もあるので、数字はドンドン膨らんでいきます。

 とまあ、興行的な関心に傾いてしまいましたが、飯塚さんのレビュー(「闘いうどんを啜れ」)であらすじは少ししか書かれていません。鮮明な写真をたくさん載せている「iBox」サイトのlovecellさんの助けを借りると、「このミュージカルでは、テレビ版と同様に友達思いのトーマスの行動に焦点が当てられており、そこで起こるいろいろな出来事がストーリーの中心だ。任された支線が取り上げられそうになっても、友達を大事にするトーマスの思いやりに胸が打たれた。観終わった後、あたたかい気持ちになれるミュージカル」だそうです。

 飯塚さんは相当の機関車マニアだったらしい。「舞台はいちめん汽車が走りまわるための溝がはりめぐらされていて、よくみると、そこにはちゃんと枕木やレールや砂利が描きこんである。奥は車庫になっていて、トーマスたちはそのなかですこしだけ顔をのぞかせて、出番を待っている。場内は、あこがれのトーマスをまえに、感極まって泣き叫び、走りまわる子供(ほとんど幼児)が群れている」と描写、「俺も、鉄道マニアだった少年時代を思いだし、いまにも失禁しそう」という個所を読んで思わず頬が緩んでしまいました。

 「子供にとって、乗り物とは、人を異空間へ導くためものというより、それじたいが異空間というべき、祝祭的、演劇的存在だった」との指摘にうなずく人は多いはずです。「しかし人はやがてみな成長し、電車での通学通勤はあたりまえとなり、乗り物の持つ神秘性は失われて、日日ただ満員の苦痛を味わうのみの道具となる」。なるほど、なるほど。その後の描写にも機関車への愛情がうかがえます。

出演者につづいて、出演車が登場。動力はなにかわからんが、人が乗れる大きさの本格的な機関車で、ほんとうに線路の上を走るのだ。舞台の車庫のふんいきは、梅小路の機関区みたいだ。ポッポと煙を吐きながら、歌にあわせてコトコト走るかわいい汽車は、むかし西武園―ユネスコ村を走っていたおとぎ列車を思い起こさせる。(略)乗り物の持つ演劇性それじたいが、舞台の上に息づいている。

さらにディケンズが抱いていた鉄道に対する「特別な恐怖心」と近代の「疎外」にも触れ、最後に「いくつかの挿話が重なって、おはなしは進行し、最後には象の親子も登場し、俺も子供も大喜び。まさに乗り物への夢を、そして演劇への夢を、とりもどさせてくれる時間だった」と締めくくります。子供の喜びと同時に、飯塚さんご自身にもたまらないひとときだったようです。

Posted by KITAJIMA takashi : 10:37 PM | Comments (2) | Trackback

August 17, 2005

クロムモリブデン「ボーグを脱げ!」

 このところ評価の高い関西の劇団「クロムモリブデン」が「ボーグを脱げ」の東京公演を中野・劇場MOMO で開きました。相変わらず精力的にレビューをアップしている「しのぶの演劇レビュー」サイトはもちろん見逃していません。ボーグ(防具)と攻め具(責め具?)とジャンケンを使って、クールでスピード感にあふれた舞台を展開したようです。

 「ナンセンスで錯綜した世界に独特のダークな空気が漂います。笑いがかなりコアでマニアック。ハマる人はハマるリズムがあります」と劇団の特徴を上げた後、今回の公演は「テーマはボーグ(防具)。(略)次から次にシーンからシーンへと移って行く短編集のスタイル。ただ、登場人物が被ることもあるのでチェーンストーリー的な楽しみもあります」「ロリコン、児童虐待、性犯罪者、家庭内暴力、SM(ご主人様と奴隷)などのかなりハードなモチーフを、時事ネタも含めて皮肉っぽく、だけどあくまでもポップに軽妙に織り交ぜていきます」「きちんと細かいところまで作り上げられた世界」「音楽がめちゃくちゃクール」「何もかも全部ひくるめてクロムモリブデンのイケナイ世界だった、ということでも私は満足」と述べています。

 しのぶさんと負けず劣らず芝居を見続けている「休むに似たり。」サイトのかわひ_さんは「「かぶって叩いてジャンケンポン」から自由に発想する舞台は、はっきりいってかなりワケわからないのですが、グルーヴ感がいっぱいで、楽しい」と評価します。

 「デジログからあなろぐ」サイトの吉俊さんは「一見ストーリーなんて無きもののような舞台ですが、意外に社会的なメッセージが織り込まれているのがクロムの上手さ・・・そしてそういうのを恩着せがましく主張しないのもまたクロムの上手さか?」と述べ、「下手に難解ではなく、下手に整っていなくて、下手に感動できる訳でもない・・・ちょうどイイ具合に面白くて、イイ具合に意味分からない。エッセンスの割り振り方が上手い」とまとめています。
 大阪公演は9月9日-13日、HEP HALLで。


[上演記録]
クロムモリブデン「ボーグを脱げ!」
 東京公演 劇場MOMO(8月10日-14日)
 大阪公演 HEP HALL(9月9日-13日)

■作・演出
 青木秀樹

■出演
 森下亮
 金沢涼恵
 板倉チヒロ
 重実百合
 信国輝彦
 遠山浩司
 浅田百合子(エビス堂大交響楽団)
 板橋薔薇之介(ニットキャップシアター)
 倉田大輔(国民デパリ)

■スタッフ
音響効果 笠木健司
照明 Ingrid Smith
美術 ステファニー(劇光族)
舞台監督 塚本修
演出助手 大沢秋生(NEUTRAL)
宣伝美術 Indigoworks
宣伝写真 シカタコウキ
衣装 赤穂美咲
制作 床田光世 野崎恵 金澤裕 パリジャン

Posted by KITAJIMA takashi : 12:03 PM | Comments (0)
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