東京国際芸術祭のリージョナルシリーズで、札幌を拠点に活動している劇団千年王國「SL」公演が開かれました(3月12日-13日、東京芸術劇場小ホール1)。作・演出の 橋口幸絵さんによると、この作品は16年前に書かれた第1作で、たびたび手を加えて再演されてきたそうです。劇団として2003年に1回、それに今年1月に札幌で再演された舞台ですから、劇団の中心演目と言っていいではないでしょうか。
このところ精力的に東京の舞台を見ている「デジログからあなろぐ」サイトは「まず始めにこの一言だけを言っておきたいのですが、素晴らしかったです。物語もさることながら、演出、音響、照明、そんなスタッフワークのクオリティーの高さが一際目立った作品でありました。(中略)エネルギー溢れる男性陣の演技に支えられている最近ではなかなか珍しい劇団でした」と脱帽しています。
劇団千年王國は1999年に結成された北海道・札幌市を拠点に活動する劇団。webサイトで劇団の活動を次のようにまとめています。
この劇団の公演をみようとチケットも購入していたのですが、ほかの予定が入って残念ながら出かけられませんでした。
名古屋に拠点を移したシャトナー研(西田シャトナー)が、名古屋で初めての公演を開きました。タイトルは「感じわる大陸」(七ツ寺共同スタジオ、3月07-08日)。関連のWebサイトによると「台本なし、プロットあり、暗転代わりに生演奏! 企画立ち上げから本番まで1週間という極限状態のなかで、恐ろしい(役者にとって)舞台の幕がいまマジであがる!」だそうです。相変わらず意欲的な作品だったようですね。
「観劇の日々」サイトは「とにかく出演者全員が楽しんでて、観客にもそれが伝わって、巻き込まれてさらに盛り上がって、その場にいる全員が創り上げた舞台という感じで(中略)お勧め度9(10段階)」だそうです。
[上演記録]
西田シャトナー演劇研究所「感じわる大陸」
【日時】
2005年3月7日-8日
【場所】
七ツ寺共同スタジオ
【出演】
足立盟(-芝居空間-獏工房)
遠藤のりあき(E-style)
浦麗(メガトン・ロマンチッカー)
牧野謙(アーノルド.エス.ネッガーエクスプロージョンシステム)
草野.com
山口純(演劇襲団海賊船 II)
紗智(PERFORMERS「?」)
渡辺浩司(劇団とりあえず~F.O.A~)
ニシムラタツヤ(AfroWagen)
登紀子(アプリコットバス)
西田シャトナー
他
【スタッフ】
作・演出:西田シャトナー
照明:ありま
プロデューサー:大橋敦史(東海シアタープロジェクト)
制作協力:東海シアタープロジェクト
【協力】
七ツ寺共同スタジオ
年末年始のページに動きのなかった「福岡演劇の今」サイトが2月に入ってから活発にレビューを掲載しています。一安心しました。3月は執筆中の公演が4本、掲載済みが3本。その中で、万能グローブ ガラパゴスダイナモス「ザ・グラマーボーイズ」公演(3月10-11日、甘棠館Show劇場)を取り上げています。 ガラパゴスダイナモスは「1年の準備期間を経て」活動開始。今回が「第0回公演」(旗揚げ前のプレ公演)だそうです。福岡演劇の今」は「いいもの持ってるから、ねぇ」とのタイトルで冒頭、次のように述べています。期待が分かりますね。
「演劇時評」サイトはときに辛口ですが、1996年から続いている貴重なサイトです。筆者は中村隆一郎さん。「ひとりの観客として感じたことを率直に書いています。Web上の劇評は若い人のものが圧倒的に多いのですが、僕は二回りほど上の世代」だそうです。舞台への目配りや確かな文章からも、そんな落ち着きが感じられます。ただ続く文章で「だから青年達には珍品に見えるかもしれない。このギャップ(は)掲示板を読んで見たら楽しめると思います。意見があったら書き込んで下さい。毒にも薬にもならない役立たずの劇評に対抗してラディカルに劇を論じたいひとのために」とありました。なるほど。底力を感じるのはそのせいだったのですね。
その中村さんが、東京・新国立劇場で開かれた松本修構成・演出のカフカ原作「城」公演(1月14日-30日)を取り上げました。
[上演記録](新国立劇場webサイトから)
▽スタッフ、キャスト、あらすじなど
▽舞台写真