11月1日から新サイトに移行しました。URLは下記の通りです。リンクしている場合はURLを差し替えていただくようお願いいたします。

http://www.wonderlands.jp

December 19, 2004

HEP HALL プロデュース「ハムレット」

 「現代口語訳でよみがえる悲劇の名作。ゴシック・ボンテージなコスチューム。インダストリアルなノイズサウンド。21世紀を生きるあなたにこそ贈る、まったく新しい『ハムレット』。あなたはまだ本当の『ハムレット』を知らない」-こんなうたい文句でシェークスピアの「ハムレット」が大阪・梅田のHEP(Hankyu Entertainment Park)で上演されました(12月5-19日)。
 演出にランニングシアターダッシュの大塚雅史、舞台美術などをデザイナーの黒田武志、音楽はBABY-Qの豊田奈千甫、翻訳がTAKE IT EASY!の中井由梨子など。「中西理の大阪日記」がこの公演を取り上げています。

 「南河内万歳一座がかつて上演した前例はあるが、関西では小劇場系の企画としてシェイクスピアが上演される機会は少ない。しかも今回は主演のハムレット役をエビス堂大交響楽団の浅田百合子が演じるなど関西小劇場の若手中心のキャスティング。若さゆえの課題もそこここで残ったが、清新という意味では好感の持てる『ハムレット』であった」などと述べて、さらに詳しくリポートしています。

 「知念くにこ的考察の日々」は「このハムレットは現代口語訳の青春ハードボイルドという新しい切り口で、登場人物は全員ボンデージ・ファッション、音楽もノイズサウンドと結構前衛的な取り組みでした」と述べた上で「非常に完成度が高かったです。青春ハードボイルドという表現どおり全体に「動き」があって、観る人をぐいぐい引き込む強い磁力のようなものがありました」と報告しています。

HEP HALL TheatreのWebサイト
■上演記録
作:W・シェイクスピア 翻訳:中井由梨子(TAKE IT EASY!) 
演出:大塚雅史(ランニングシアターダッシュ) 
アートディレクション:黒田武志(sandscape) 
音楽:豊田奈千甫(BABY-Q) 
出演:浅田百合子(エビス堂大交響楽団)、山浦徹(化石オートバイ)、赤星マサノリ(劇団☆世界一団)、入谷啓介(エビス堂大交響楽団)、大島由香里、宮腰健司(ランニングシアターダッシュ)、小松利昌(劇団☆世界一団)、森本研典(劇団太陽族)、や乃えいじ(PM/飛ぶ教室)、武田操美(劇団鉛乃文檎)、原尚子、関秀人、他

Posted by KITAJIMA takashi : 08:57 PM | Comments (0) | Trackback

December 18, 2004

大人計画「イケニエの人」

 「01年の『エロスの果て』以来ひさびさとなる、主宰・松尾スズキの書き下ろし。巨大レストランチェーンの店長候補となった男をめぐる人間模様を通して、「食べること」や「生きること」の意地汚さをシニカルな笑いの中に浮きぼりにします」-「n.p.d. blog」がこう書いている大人計画「イケニエの人」について、CLPサイトで長谷部浩さんが「むきだしの野心」とのタイトルで、「成熟してきた劇団組織が例外なく突きあたる普遍的な問題」を次のように書いています。

 「松尾スズキの新作『イケニエの人』(松尾作・演出)を観て、ある種の疲弊がしのびよっている演劇界について考えざるをえなかった。(中略)松尾の魅力は、グロテスクなまでの悪が支配する状況のなかで、懸命に生存をはかる人間を描き出すところにある。俳優のそれぞれが自信とプライドをそなえたときに(それはもちろん彼らのキャリアにとって望ましいことに違いない)松尾の劇世界を背負う欠落が見えにくくなっている。ホームランバッターやエースストライカーを揃えたチームが、必ずしも強くないように、アウラをそなえた俳優がひしめく舞台は、単調さに彩られ、切迫感を持たない。ハングリーといってしまうと、まるで演歌の世界のようで嫌気がさすが、強い上昇志向を持った俳優のむきだしの野心が、松尾の世界を成立させるには必要である。これは松尾自身のスランプというよりも、年月を経て、成熟してきた劇団組織が例外なく突きあたる普遍的な問題のように思える」

 このあたりを突いているのが「しのぶの演劇レビュー」ではないかと思います。詳しくは全文を読んでほしいのですが、こんな指摘がありました。「荒唐無稽な設定で、出てくるのは奇想天外な人物ばかり。次の展開が非常に予想しづらいストーリーです。エロティックでサディスティックなネタを簡単にやってのける大人計画の役者さんは、いつもながら魅力的なのですが、早口すぎてセリフが聞こえないことが多かったですね。回想シーンや同時進行する複数シーンなど、構成が複雑でわかりづらかったからなのか、それとも単なるパワー不足なのか、『エロスの果て』『業音』などと比較すると全体的に凄みに欠けました」

 芝居を数多く見ている「エンタメに生きる。」にも似たような印象を受けているように見えます。「ネット上であまりにも評判が悪く、ちょっと心配しながらの観劇。でも、それぞれの役者のチカラ、魅力だけで結構笑えた。とはいえ作品はやっぱり…ん~、松尾さんが転換期なのか、それとも忙しすぎるせいで手抜きなのか? 微妙なところだ」

 実際はどうなのか-。公演をみていないので判断できませんが、ネット上の書き込みを見る限り「疲弊」や「転換期」らしき印象を受けた人は少なくないようです。


世田谷・シアタートラムWebサイト
■上演記録
[作・演出・出演] 松尾スズキ
[出演] 阿部サダヲ/宮藤官九郎/池津祥子/伊勢志摩/顔田顔彦/宍戸美和公/猫背椿/宮崎吐夢/皆川猿時/村杉蝉之介/田村たがめ/荒川良々/近藤公園/平岩紙

Posted by KITAJIMA takashi : 09:47 PM | Comments (0) | Trackback

December 14, 2004

金森穣Noism04 「black ice」

 金森穣のNoism04 「black ice」公演はさまざまな波紋を生じているようです。追記として 「中西理の大阪日記」と、舞踊批評家の志賀信夫さんが書いた「動くからだと見るからだ」の紹介を付け加えました。ここでは多数の貴重な写真が記載されています。(12/17)

 ダンサーとして振付家としてめざましい活躍を見せる金森穣が今年4月、りゅーとぴあ新潟市民芸術会館舞踊部門の芸術監督に就任。新潟レジデンスのプロフェッショナル・ダンス・カンパニーNoism04を率いて10月から全国公演を始めました。新潟、大津、山口、宮崎、高知、岐阜を経て12月10日から3日間、新国立劇場中劇場で東京公演を開きました。このステージについて「What Dance Says to Me (稲倉 達の書庫)」サイトが「芸術監督に拍手、振付家には小言」というタイトルの文章を掲載しています。

 「芸術監督としての務めは立派に果たしたと思う。偉い。でも、振付家としては一歩後退ではないかという気もするのだ。そこで今回は、金森に期待する者の一人として、あえて残念な点をぶつぶつと書くことにする。一言で言えば、作品作りにおいて保守化したと思う--失敗は許されないというプレッシャーは相当なものだっただろうと察しもするのだが」
 こう前置きして、「温かい辛口」というか「期待の高さゆえの苦言」を縷々述べています。しかし舞台活動も続けているだけに、みるべきところも外していません。第2部「black ice」はかなり違った印象だったようです。
 「第2部『black ice』だけ見ると出来がよい。振付も夾雑物が少なく、5人(ラストは金森が加わって6人)のダンサーがスピーディーでスリリングな展開をみせ、カンパニーのレベルの高さを印象づけたパートだった。また、高嶺格の舞台美術の仕掛けも新鮮だ」

 ダンスなどのステージを鋭い視点からリポートしてきた「dm_on_web」サイトも、第2部を取り上げ、高く評価しています。
 「『black ice』の第二部によって、振付家・金森穣に対する認識を完全に改めた。はっきりいってこれは凄い。振りの密度、語彙の多様さにものけぞるが、何より動きのヴォリューム、線の力強さが並大抵ではない。低い姿勢で床についた腕を梃子にして体全体を真横へ一気にスライド、などといった無理な動きも実にショッキングだ」

 Noism04:「black ice」はこのあと、長野公演(12月18日、まつもと市民芸術館)を残すだけ。駆けつける人もいるのではないでしょうか。

追記(12/16)
中西理の大阪日記」がびわ湖ホール公演をみて短い感想を掲載しています。その中で金森のダンサーとしての技量、振り付け・演出などを評価しながら、「国内育ちの振付家と比べるとヨーロッパのダンスコンテンポラリーヌの影響が生のまま出てきている。そこにはいっさい日本人としての身体性もないし、欧米のダンスの枠組みに疑問を抱いてない感じがありあり」と指摘。しかし「この人は欧州を中心に大舞台を踏んできたせいか、大空間における空間演出の力は若手の振付家のなかでも抜きん出たものを持っており、今日の舞台でもそうした長所は十分に発揮された」と述べています。また「もうひとつの注目は高嶺格の映像・舞台美術だったのだが、こちらの方は面白かった」と褒めています。

 舞踊批評家の志賀信夫さんは「動くからだと見るからだ」というタイトルのレビューをTokyo Dance Square のWebサイトに掲載しています。2ページ28枚の写真構成なので、ステージの様子が浮かんできます。その末尾に次のように書いています。  

 「W・フォーサイスは女性ダンサーを東京文化会館で全裸で踊らせた。中村恩恵はイリ・キリヤンの舞台で、服を脱ぎ捨てて全裸で去っていった。しかし振付家自身が最後にすべてを脱ぎ捨てていくという行為は、さらに本質的な問いかけといえるだろう。(中略)揺らぎ、混沌自体をすべて舞台に出して、自己に戻るという金森の自己同一化はこの作品の原動力だ。それは生きるすべての人間の持つ混沌、苦悩につながる本質的な問いかけといえるだろう。
 『SHIKAKU』で白い世界、迷路とそれを崩し、構成された世界を作った金森は、今回コントラストとなる黒い世界、暗黒、闇を描き、そのなかで踊る自己と世界の混沌を対峙させた。ノマド、つまりさまよえる民としての金森は、次はどこにさまよって行くのだろうか」。

Posted by KITAJIMA takashi : 10:06 PM | Comments (1) | Trackback

December 13, 2004

第10回劇作家協会新人戯曲賞公開審査会

 「日本劇作家協会が主催する新人戯曲賞、本年は第10回目。公開審査会の進行は例年どおりであったが、オフィシャルな発表がまだのようなので、取り急ぎ、結果など」-「X-ray」サイトが、12月12日(日)に東京・新宿の紀伊國屋ホールで開かれた公開審査会の模様を詳細に伝えています。候補作を挙げ、審査の進行、審査員の発言などを紹介。審査会の特徴というか、特質と課題までがリアルに感じられます。

Posted by KITAJIMA takashi : 09:09 PM | Comments (0) | Trackback
 1  |  2  |  3  |  4  |  5  |  6  |  7  |  8  |  9  |  10  |  11  |  12  |  13  |  14  |  15  |  16  |  17  |  18  |  19  |  20  |  21  |  22  |  23  |  24  |  25  |  26  | 27 |  28  |  29  |  30  |  31  |  32  |  33  |  34  |  35  |  36  |  37  |  38  |  39  |  40  |  41  |  42  |  43  |  44  |  45  |  46  |  47  |  48  |  49  |  50  |  51  |  52  |  53  |  54  | all pages