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劇団☆新感線「七芒星」

 劇団☆新感線が評判になってから10年以上経つでしょうか。いまはすっかり人気劇団になりました。なんの気まぐれか、2002年の暮れ、4800円を払って赤坂ACTシアターの立ち見でみたのが「七芒星」でした。当時書いた雑誌のコラムを以下、転載します。

◎ヘビメタ伴奏付きの大衆演劇

 大衆演劇というジャンルがある。梅沢富美男の兄が座長を務める梅沢武生劇団や筑紫劇団、玄姫劇団、藤川劇団などが比較的知られているだろうか。絵に描いたような勧善懲悪と義理人情の筋書き、泥臭い演技、地方巡業が多くて家族ぐるみも珍しくない…。といえば想像がつくだろう。 東京・赤坂ACTシアターで劇団☆新感線の「七芒星」公演を見たとき、久しぶりに大衆演劇の雰囲気を感じた。音楽はハードロックかヘビメタかという大音響で照明もきらびやか、会場も広々して舞台は遠くに見えるから大衆演劇にはほど遠いと思われるかもしれない。元光genjiの佐藤アツヒロと、最近はすっかり芝居づいている女優の奥菜恵をゲストに迎えているところも大違いだが、ド派手な化粧と衣装、勧善懲悪の分かりやすい物語に踊りと歌が付くのは大衆演劇そのもの。ひとことで言うと、ヘビメタ伴奏付きの今風大衆芝居という趣だった。

 その昔、世界を支配しようとした女魔術師を七人の勇者が退治した。そのリーダーの子供が佐藤アツヒロ、世界を守ろうとする女王の化身が奥菜恵という配役である。

 押し込められた鏡の世界から女魔術師がよみがえり、かつての勇者七人を味方に付けて現れる。奥菜が持っている「虹のしずく」を奪って世界支配を完全なものにしようとするのだが、佐藤ら勇者ゆかりの新しい七人が奥菜を守って戦う-。善と悪、勇者と裏切り者の戦いの末、善と勇者が勝利する。てらいもためらいもない一本道の筋立てである。

 スピーディーなアクション、殴り合い、蹴り合いの音も会場いっぱいに響く手際よさ。ドタバタしたギャグも適度に泥臭く、ぼけ役を要所に配した演出もツボを心得ている。

 中島かずき作、いのうえひでのり演出のコンビで作り上げる新感線ワールドはおゲイジュツには見向きもせず、ひたすら客席サービスに徹した浪速の芝居である。このところ「いのうえ歌舞伎」と称しているのも、舞台をみるとうなずける。

 1980年、大阪芸術大学舞台芸術学科の4回生を中心に、つかこうへい作品「熱海殺人事件」で旗揚げしたから20年余の活動歴がある。途中でつか作品と決別、ヘビメタ伴奏付きの劇画チックな作風に転換して観客が増えたという。年末の東京公演全19回はいずれも満席。若い女性の熱気でむせかえるようだった。年明けの大阪、新潟公演も好評という。人気は当分続きそうだ。

(北嶋孝@ノースアイランド舎、2002年12月27日 赤坂ACTシアター、初出「ばんぶう」)

Posted by : 11:19 PM | Comments (0) | Trackback
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