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July 18, 2004

エレファント・バニッシュ (サイモン・マクバーニー 演出)

クオリティーの高い劇評を掲載してきた「クリティック・ライン・プロジェクト(CLP)」のWebサイトに、村上春樹原作、サイモン・マクバーニー 演出「エレファント・バニッシュ」(6月26日~7月11日、世田谷パブリックシアター)のレビューが載っています。筆者は「オペラの演出の経験」もあるという皆川知子さん。「映像、モノ、人間が等価におかれ、徹底的に統一された舞台」との冒頭の切り出しから末尾の結論まで、一気に読ませます。
ほぼ観劇日記」も「旧態然とした演劇の枠組みを軽く越えた、役者によるパフォーマンスと映像と音とセットも含めたムーブメントで構成された空間」と評価しています。

Posted by KITAJIMA takashi : 08:32 AM | Comments (0) | Trackback

July 14, 2004

DEAD STOCK UNION/渡辺熱の「メルティング ポット」

◎たっぷりの在庫、上質の人情喜劇 (西村博子)

 まず、役者が揃ってる!ことに驚いた。劇団の公演で老人役を若い人が演るとか、やむを得ぬミスキャストはよくあることだが、ここデッドストックのプロデュース公演にはそんなことがまるでなかった。デッドストックとは未来を目指す俳優たちの「在庫」の意とか、なるほどたっぷりの在庫から選び出された役者たちはそれぞれの役どころに実にぴったりだった。

  私の好みを先に言わせてもらうと、なかでもアネサンの二の子分アキラ(石田彬)は若くてカッコよくて、意外に可愛い弱虫で、最高に魅力的だった。役者はただ筋を運ぶだけじゃなく、その前にまず観るものを魅了しなくちゃと改めて思ったことだった。

  おそらく役者たちがそう見えた、ということは、作・演出が相当な手だれであったということに違いない。実際、場と人物設定がすこぶるうまい。ところは共同トイレ、共同炊事の安アパート2室。左は犬に足を噛まれた男(あとで空き巣だったということが分かってくる)と、家計を担うけなげなその娘(終わりのほうで昏睡泥棒だったことが分かる)。右には東南アジアから来た不法滞在のニューハーフ3人。仕送りしたいし乳房ももっと大きくしたいし。だが入管の係り官は嗅ぎまわっているし、いつ逮捕されるかわからない。2室の裏には同じく不法滞在のインド人も住んでいるらしい。

  話は、一の子分の大政、二の子分、三の子分を引き連れたアネサンが突如、男からは借金を、ニューハーフたちやインド人からは先に渡した偽パスポートの代金を、取り立てに押し入って来るあたりから、あれよ、あれよの展開となっていく。小刀チラチラ、大政が金を巻き上げる。と、そこへ中国人兄弟とそのバイト仲間がピストルや大きな釘抜きを持って飛び込んでくる。中国語と日本語のチャンポン、有り金出せのその要求は、強盗に失敗したから彼らを人質にして北朝鮮経由で中国へ帰るのだという。さらにそれから人質たちが、警察に保護されては困ると強盗兄弟の側についたり、身代金を1億円から3億円に吊り上げさせたり、また寝返ったり……。初日のせいか、台詞のテンションが下がりがち、何度か笑いが沈んではまた立ち上げなければならなかったのは惜しかったが、それはおいおい改善されていくにちがいな。ふだん知っていて知らなかった日本の底辺が、笑いのうちに見えてくる。

  親のために日本に出稼ぎに来なければならなかった兄弟たちと、生きていればと自首をすすめる大政との会話あたりから話が少々ウソっぽくなる。大政がそれを言う必然がないから、であろう。もし大政の代わりにそれが昏睡泥棒の孝行娘だったらどうなる?とチラと思った。が、それは「泣いて笑えて楽しめる芝居を作」りたい、「『寅さん』のような芝居ができたらいいなあと」(「アリスインタビュー」)言う作者のこと、これでなければ書く気にもならなかったのかも知れない。最後に、人質も含めて全員の「北国の春」、♪故郷に帰りたい」の大合唱となって、投降を決意していくことになる。エンディングに、それぞれの出所後の姿がユ-モアたっぷりに紹介されていくと、客席はあったかい拍手に湧いた。

  そこから目をそらそうとどうしようと、実際に「メルティング ポット」である現代日本を、それも社会から白い目で見られる人たちの側から描いたのはさすがに大人の仕事。上質の喜劇であった。

  見終わって快い満足感のなかに、しかしほんのちょっぴり不満が残ったのは、彼らを取り巻く外側――小さく言えば警官隊やマスコミ、大きく言えば日本――に対する作・演出の目線が全体的に弱かったからではないだろうかと思った。もしも、両手を挙げて外へ出て行った人質や強盗たちがその直後、警官隊に全員射殺!なんて大どんでん返しがもう一つ仕組まれていたとしたら?伏線は三の子分が解放されて外に出ようとしたときすでに張られていたし……。

想像が当たっているかどうかではない。外へ出たとたんに忘れてしまうのでなく、あれこれ想像の尾を引くこと自体が芝居の面白さの証拠であろう。帰りの私は楽しかった。
(2004.7.9 所見 東京・新宿タイニイアリス)

DEAD STOCK UNIONのWebサイト:
http://www.grand-x.com/dsu/

Posted by : 02:04 PM | Comments (0) | Trackback

July 11, 2004

水と油「スケジュール」

海外でも評判の高いパフォーマンス集団「水と油」の公演「スケジュール」の国内ツアーが始まっています。6月末の東京・世田谷のシアタートラムを皮切りに、高知、大阪、名古屋、札幌、釧路を8月中旬まで回る予定です。「スケジュール」は、一昨年3月シアタートラムで初演。第2回朝日舞台芸術賞“寺山修司賞”を受賞しました。
 「ぱうる」さんが自分のblog 「うたうた」でこの公演を取り上げています。マイムを軸としたダンス・パフォーマンスに触れた驚きが率直に表現されていると思います。以下、ぱうるさんの了解を得て転載します。ありがとうございました。



schedule.jpe

2004年06月17日(木)    「スケジュール」 @シアタートラム  /  芝居
2002年初演。
初日。(6/27まで)
マイムと、ダンスともいえるようなパフォーマンスのみの一時間。

感想を一言でいうと「すげぇーなー!」
その身体能力、動きにまず驚く。スピーディーでスレスレな動きも逆にスローな動きも、どうしてこんなに、目の前で起こっていることなのに、自分の目を疑える。
よく見てないと、アレ?これいつの間にこうなったんだっけと、わからなくなってしまうよ。
メンバー四人が四人すごい高いレベルなもんだからむしろそれが普通に見えてきてしまったりして不思議。不条理なユーモアにも、すんなり自然に入りこめる。
言葉、セリフは一切なし。しかしそれはシチュエーション的にもないほうが自然だったり、動きだけで伝わってくるので気にならない。

他者の介入によって思惑通りに行かなくなる未来。状況は目の前でどんどん変化していく。
全体のベースとなるのは日常風景を舞台にありがちな出来事、四人のチームワークあってこその誇張表現。 のはずが次第に展開の「展開」が展開されてしまったり、頭フル回転でも追いつかず。圧巻の展開とパフォーマンスにただただ驚き、感動。すごい想像力とその実現力だわ。

一時間あっという間で、もっと見たい物足りないと、劇場出るまで思ってた私がバカだった。
当たり前の世界の認識を自覚する。
現実の世界の普通の出来事が、全て特別に見えてしまったりする始末。自分の身に降り掛かるこの公演の影響はけっこう大きかった。

モウモトニハモドレナイ。

「水と油」のwebサイト:
http://www.mizutoabura.com/

Posted by : 02:40 PM | Comments (0) | Trackback

July 10, 2004

チーム下剋上「ワイワイ アリス パニック」

自称「踊る芝居好きのダメ人間」さんのblog日記が、チーム下剋上公演「ワイワイ アリスパニック」について書いています。タイトルは「本当は…な童話」。ゲーム下剋上の芝居は何度か見ているようで、「童話をミックスさせて、現実と少しミックスさせて毒を少し吐いてとスタイルは、いつも通りだったわけですが、ちょっと空回りしてしまう感じ」と辛口のコメントでした。

Posted by KITAJIMA takashi : 08:24 PM | Comments (0)

July 08, 2004

劇団あおきりみかん「昼下がり、車庫上がり」

「名古屋の小演劇インプレッション」が劇団あおきりみかん「昼下がり、車庫上がり」公演を取り上げています。「今回は舞台装置に度肝を抜かれた」と質感の高い出来栄えに感心していました。愛知県芸術劇場小ホールで6月24-26日に開かれました。

Posted by KITAJIMA takashi : 11:39 PM | Comments (0) | Trackback
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