11月1日から新サイトに移行しました。URLは下記の通りです。リンクしている場合はURLを差し替えていただくようお願いいたします。

http://www.wonderlands.jp

March 20, 2005

アルカサバ・シアター「壁―占領下の物語II」

 パレスチナの状況を演劇で発信するアルカサバ・シアターが昨年の「アライブ・フロム・パレスチナ―占領下の物語」公演に続き、今年の東京国際芸術祭に新作「壁-占領下の物語II」で登場しました(3月10-15日、東京・新宿のパークタワーホール)。今回はNPO法人アートネットワーク・ジャパンとの国際共同制作。舞台美術は日本のメディアアーチスト椿昇が担当し、自治区を貫いて建設されている「壁」を舞台に組み上げ、圧倒的な迫力でせまります。
 「東京国際芸術祭(TIF)」のwebサイトに「劇評通信」ページが設けられ、河野孝 ( 演劇ジャーナリスト )とエグリントンみか ( 英演劇・演劇批評 )の2人がそれぞれ「 壁-占領下の物語II 」のレビューを掲載しています。主催団体がレビューを掲載するという試みは、公演の意義を広く社会に定着させたいという熱意の表れかもしれません。
 またこのwebサイトは公演紹介ページも充実し、「プレス資料」(pdfファイル)は作品の内容や背景を詳細に紹介しています。

Posted by KITAJIMA takashi : 09:48 PM | Comments (0) | Trackback

March 18, 2005

野鳩「お花畑でつかまえて」 

 「お花畑でつかまえて」は、漫画大好き少年が、自分の漫画を舞台に描きたいと作、一作努力してきて、ついに完成!――最後のシーンになぞらえて言えば、ついに卒業!――した舞台だったといえよう。これまでの野鳩の最高の到達であった。

  天王州アイルのスフィアメックス。ラクの客を送りだす出口に恥ずかしそうな顔して立っていた藤子不二雄が、オットット、作・演出の水谷圭一が、これまた恥ずかしそうな小さな声で「こんどはごく単純に創りました」と言っていたが、そのとおり、ストーリーはいたってシンプル。お祖父ちゃん子だった腰巡不二雄(畑田晋事)が同じ中学の美少女小豆畑つぼみ(佐伯さち子)に初恋。が、しかし徹底的に嫌われて終わるという、たったそれだけ。途中不二雄は、仏壇から現われたお祖父ちゃん(鳥打帽に眼鏡の水谷圭一。藤子不二雄にそっくり)の助けで男子から女子に変身、つぼみに近づく。が、不二雄が女子でいる間は、つぼみも、幼いとき太っていていじめられっ子だったと打ち明けてくれたり追っかけてきてくれたり、仲良くしてくれたのに、実は男子と解ったとたんに、いや! ――ひとことで言えばつまりこれは、好きな女子に友だちとしてならつきあってもらえるけど、異性として意識されたことがない、問題外だったという、コンプレックス少年の哀愁物語であった。
  男子中学生のコンプレックス。それが前作「きみとならんで空の下」では目の下にホクロがあるから、となっていて、それはそれで些細なところ、悪くなかった。が、今回はそういう設定いっさいなし。初めのほうで小柄な不二雄と背の高い親友宮野(堀口聡)とをただ並んで舞台に立たせただけ。見るものの想像にまかせたところがなお良かったように思う。他の人にはなんでもないことが気になる。それが人であり思春期であろう。 先に言ったストーリーがただ単線で描かれていくだけなく、つぼみや宮野の、美少年や不二子(腰巡不二雄が変身した女子中学生)への一目惚れと追っかけ、その挫折がそれぞれ挿入されていたのも、全体の厚みとなっていて、よかった。“好き”“嫌い”に理由なく、それが日々のすべてであった昔がほんのりと浮かんでくる。
  いちばん最後、不二雄がつぼみにふられてしまったあとだが、それまでお祖父ちゃんの仏壇が出現してきた以外、あまり使われず、惜しいなあと思っていた後方の石垣から舞台ばなにかけてが、一瞬にして美しい美しいi一面の菜の花畑へと変わる。溜めに溜めた、みごとな使い方であった。そして、そのお花畑に立ったつぼみと、客席まんなかに設けられていた花道、その後方に立っていた不二雄とが、あろうことか、手をあげ声をあげ、懐かしく懐かしく手を振り合っているではないか! それぞれ卒業証書の入った筒を持って――。冒頭、「ついに完成!」「ついに卒業!」と感じたのはこのときだった。 「お花畑でつかまえて」は、腰巡不二雄のつぼみへの憧れ、オマージュであったと同時に、水谷圭一の藤子不二雄へのまぎれもない憧れ、賛歌であった。もちろん見てきたとおり、つぼみが不二雄に手をふる必然は物語のなかにない。にもかかわらず、つぼみ――藤子不二雄はなんと、水谷圭一に手をふってくれたのだった……。おそらく水谷が、コンプレックスあるいは欠落、持っていないということを表現の根拠とし独特の魅力へと逆転させた力技を、それこそが漫画であり野鳩の芝居だと喜んでくれたから、にちがいない。
  嘘かほんとか、野鳩の大切な役者のひとりがこの公演を最後に劇団を去るかも?という噂を小耳に挟んだ。ここまで到達して、さあ卒業と去っていったらあまりに惜しい。一つ宿題を出すことにしよう。果たさなければ卒業させないわよの脅かしである。次回の提出を待っている。卒業がまた新たなる出発となりますように……。      (2005.03.04)
  宿題:つぼみが、不二子実は不二雄と気がつくところ。つぼみが引っ張っていた手を離すと不二子がいったん左袖に入り、入れ替わりに不二雄が出てくるが、これは、あまりに曲のないやりかた。漫画ならもっと上手に描く。これを藤子不二雄ならどう処理するだろうか、考えてきなさい。

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March 15, 2005

劇団千年王國『SL』

 東京国際芸術祭のリージョナルシリーズで、札幌を拠点に活動している劇団千年王國「SL」公演が開かれました(3月12日-13日、東京芸術劇場小ホール1)。作・演出の 橋口幸絵さんによると、この作品は16年前に書かれた第1作で、たびたび手を加えて再演されてきたそうです。劇団として2003年に1回、それに今年1月に札幌で再演された舞台ですから、劇団の中心演目と言っていいではないでしょうか。
 このところ精力的に東京の舞台を見ている「デジログからあなろぐ」サイトは「まず始めにこの一言だけを言っておきたいのですが、素晴らしかったです。物語もさることながら、演出、音響、照明、そんなスタッフワークのクオリティーの高さが一際目立った作品でありました。(中略)エネルギー溢れる男性陣の演技に支えられている最近ではなかなか珍しい劇団でした」と脱帽しています。

 劇団千年王國は1999年に結成された北海道・札幌市を拠点に活動する劇団。webサイトで劇団の活動を次のようにまとめています。

全ての作品の脚本・演出をてがけるのが橋口幸絵。千年王國としての『SL』が学生時代から通算すると17本目の演出作品となります。
作品作りは橋口を中心に、脚本作りをサポートする文芸助手、稽古場を運営する演出助手、舞台裏を固める演出部・衣装部、公演全体を支える制作部を核として、劇団員キャストに外部ゲストを公演ごとに加えてカンパニーを形成するプロデュース形式。作品の特性上、重要な役割を担うスタッフワークには札幌市内の第一線で活躍する舞台スタッフが継続的に参加しています。

この劇団の公演をみようとチケットも購入していたのですが、ほかの予定が入って残念ながら出かけられませんでした。

Posted by KITAJIMA takashi : 11:05 PM | Comments (0) | Trackback

March 14, 2005

西田シャトナー演劇研究所「感じわる大陸」

 名古屋に拠点を移したシャトナー研(西田シャトナー)が、名古屋で初めての公演を開きました。タイトルは「感じわる大陸」(七ツ寺共同スタジオ、3月07-08日)。関連のWebサイトによると「台本なし、プロットあり、暗転代わりに生演奏! 企画立ち上げから本番まで1週間という極限状態のなかで、恐ろしい(役者にとって)舞台の幕がいまマジであがる!」だそうです。相変わらず意欲的な作品だったようですね。
 「観劇の日々」サイトは「とにかく出演者全員が楽しんでて、観客にもそれが伝わって、巻き込まれてさらに盛り上がって、その場にいる全員が創り上げた舞台という感じで(中略)お勧め度9(10段階)」だそうです。

[上演記録]
西田シャトナー演劇研究所「感じわる大陸」

【日時】
2005年3月7日-8日

【場所】
七ツ寺共同スタジオ

【出演】
足立盟(-芝居空間-獏工房)
遠藤のりあき(E-style)
浦麗(メガトン・ロマンチッカー)
牧野謙(アーノルド.エス.ネッガーエクスプロージョンシステム)
草野.com
山口純(演劇襲団海賊船 II)
紗智(PERFORMERS「?」)
渡辺浩司(劇団とりあえず~F.O.A~)
ニシムラタツヤ(AfroWagen)
登紀子(アプリコットバス)
西田シャトナー

【スタッフ】
作・演出:西田シャトナー
照明:ありま
プロデューサー:大橋敦史(東海シアタープロジェクト)
制作協力:東海シアタープロジェクト

【協力】
七ツ寺共同スタジオ

Posted by KITAJIMA takashi : 02:18 AM | Comments (2) | Trackback

March 13, 2005

万能グローブ ガラパゴスダイナモス「ザ・グラマーボーイズ」

 年末年始のページに動きのなかった「福岡演劇の今」サイトが2月に入ってから活発にレビューを掲載しています。一安心しました。3月は執筆中の公演が4本、掲載済みが3本。その中で、万能グローブ ガラパゴスダイナモス「ザ・グラマーボーイズ」公演(3月10-11日、甘棠館Show劇場)を取り上げています。 ガラパゴスダイナモスは「1年の準備期間を経て」活動開始。今回が「第0回公演」(旗揚げ前のプレ公演)だそうです。福岡演劇の今」は「いいもの持ってるから、ねぇ」とのタイトルで冒頭、次のように述べています。期待が分かりますね。

無理やりでも見せてやろうという意欲が、多くの欠点を引きずりながらも、ラストまで何とか観客を引っぱっていくという舞台だった。
 その欠点の影に、まだ発見されていないこの劇団の演劇の魅力が埋まっているのを感じた。それを早く掘り起こしてほしいと願う。…


Posted by KITAJIMA takashi : 10:07 PM | Comments (0) | Trackback
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