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September 07, 2005

三条会『ニセS高原から』

 三条会の舞台から伝わってくるものは、身体の力強さと言葉の重量感、そして何よりも演出という意図が持つ意味の権力だ。それらが舞台空間の中に満遍なく、拡張しようとする意思と共に埋め込まれている。その彼らがこの度対峙した作品は、敢えてプラマイゼロの地点に佇もうとする平田オリザの作品「S高原から」である。この本の演出に際して三条会は、徐に反旗を翻すと、1時間弱という時間を懸けて盛大に戦いを挑んでいったのだ。
 その時間は私には大変に心地の良いものであった。何故なら、そこには「S高原から」という脚本への愛と平田オリザという演出家への尊敬の念が満ちていたからだ。さもなくば、このような大胆不敵な二次創作は不可能であっただろうし、演出という意図が齎す表現の創造性に酔いしれる瞬間も訪れなかっただろう。
 最後の一瞬で「ニセS高原から」は原版「S高原から」へと浸透していく。その光景は、2つの意図が生む結晶であり、暗闇の中に表現の楽園を見る思いだった。私は裏返る舞台という演出家の意図に感じるべき感情を見失ったのだった。

草稿は「デジログからあなろぐ」をご覧ください。

関美能留(三条会)組

 大川潤子(三条会)・岡野暢・鬼頭愛(百景社)・久保田芳之(reset-N)
 榊原毅(三条会)・瀧澤崇・立崎真紀子(三条会)
 寺内亜矢子(ク・ナウカ)・中村岳人(三条会)・橋口久男(三条会)
 舟川晶子(三条会)・山本晃子(百景社)

ス タ ッ フ

舞台美術杉  山至×突貫屋
照明       佐野一敏(三条会)
音響       薮公美子
宣伝美術    藤原未央子
制作       榎戸源胤(五反田団)
           尾形典子(青年団)
           木下京子(ポツドール)
           斉藤由夏(青年団)
           田中沙織(蜻蛉玉)
プロデューサー 前田司郎

主催  (有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場

Posted by : 03:09 AM | Comments (1) | Trackback

September 05, 2005

ヒンドゥー五千回「メキシコの犬」

 ヒンドゥー五千回第14回公演「メキシコの犬」が東京・下北沢のOFFOFFシアターで開かれました(8月18日-28日)。いつも遅れ遅れの紹介ですが、どんな芝居かと言われてもストーリーを明確に示すことがこの劇団のねらいではないようなので、まともに筋書きは追いにくいのではないでしょうか。

ほぼ観劇日記」サイトによると、「ふらっと現れた旅人により、その町に住む人々の中にある、特異性が徐々に明らかになってき物語は進行しますが、ただ湧き上る疑問の全てが解決するのではなく、疑問を疑問のまま残しつつ物語もその疑問の渦へと巻込まれていきます。単純明快ではなくその不明確な感覚を楽しむべき芝居」になっているそうです。

 芝居のコメントで鋭い観点を見せてくれる「耳を噛む」サイトはまた微妙に違った視角から、「物語は、『犬』と『旅人』に絞って描かれていて潔いし、全体をとおしてきっちり作られた作品だった。一箇所分かり易くし過ぎたのではないかと思う部分もあり、そこまでサービスしなくてもよかったのではないかと感じた」と述べています。見方は異なりますね。

 また違った視線を紹介しましょう。critic line project の皆川知子さんは「観ているうちになんだか息苦しくなってきたのは、おそらく、彼らの行動の理由がなにひとつ説明されないという居心地の悪さからかもしれない。なぜその男は村に来たのか。一見夫婦に見える家の男と女は本当はどういう関係なのか。男たちが人殺しをした理由は何なのか・・・。客席も含めて閉塞的な空間のなかにある私たちには、理由がわからないという不安から逃れるすべはない。対話のなかから生れる疑念や妄想の網に、自分自身が捕らえられてしまった感覚だ」と書いています。

 さまざまな鏡像を発信する舞台。みる人の数だけ重なるイメージという重層的な厚みを持つことは、その舞台にとって栄誉ではないかと思います。


[上演記録]
ヒンドゥー五千回「メキシコの犬」
 日時・場所 下北沢OFFOFFシアター(8月18日-28日)

■構成/演出 扇田拓也
 下北沢OFFOFFシアター(8月18日-28日)
■出演
 谷村聡一 久我真希人 向後信成 藤原大輔 榎本純子 佐伯花恵 伊澤勉(第三エロチカ) 鈴木燦 成川知也
■スタッフ
演出助手 藤原 大輔
舞台監督 岡嶋 健一
美術 袴田 長武 (ハカマ団)
照明 宮崎 正輝
音響 井川 佳代
宣伝写真 降幡 岳
宣伝美術 米山 奈津子
制作 根 雅治 山崎 智子

Posted by KITAJIMA takashi : 11:14 PM | Comments (2) | Trackback

September 04, 2005

シス・カンパニー『エドモンド』

青山円形劇場で長塚圭史演出の『エドモンド』が上演されています。シカゴでの初演では賛否両論を巻き起こしたという台本の内容もさることながら、八名の個性豊かな役者によって重みのある舞台となっています。以下「女子大生カンゲキノススメ」サイトにレビューをUPします。

Posted by : 07:42 PM | Comments (2) | Trackback

September 03, 2005

劇団健康「トーキョーあたり」

 12年前に第14回公演を最後に解散した劇団が久方ぶりに第15回公演を開く-と聞けば、ナンでやーとなって当然ですが、ケラリーノ・サンドロヴィッチは小うるさいことが嫌いらしい。公演ページの冒頭に「注意(観に来ないでいい人リスト)」を掲げ、最初に「12年振りに第15回公演をやることについて、異論がある者は観に来ないでよろしい」と言い切っています。以下「テーマとかなきゃやだとか、泣けなきゃやだとか、お話がわからないと具合が悪くなるそして具合が悪くなるのはやだとか、そんな文句を言う人はやだ。来ないでよろしい」などと続きます。ニヤリと笑って済ますのが流儀でしょうか。

 「某日観劇録」サイトによると、「映画の脚本家が締切直前の脚本について、監督立会いの元、大急ぎで口述筆記している。田舎から東京の子供に会いにくる老夫婦の話と、息子夫婦と同居して病気を告知された定年間近の公務員。だが立会う監督が適当に口を挟むうちに、両方の脚本の登場人物があらぬ方向に動き出して。一応そういう構造ですけど、ナンセンスコメディーです。あまり筋を追っても意味はありません。小津安二郎と黒澤明の作品のパロディーらしい」とのことです。

 いつもお世話になっている「しのぶの演劇レビュー」サイトにまたお世話になってしまうと、この芝居は「ナンセンス・ギャグだらけでお下劣な、好き勝手空間でした(良い意味です)」「私は・・・演劇界の内輪受けネタが一番面白かったなー。確実に笑わせてもらいました。言っちゃえば、本当に面白かったのはそこだけって言うか(苦笑)」だそうです。

 東京・下北沢の本多劇場で8月6日から28日まで計23公演。前売り券5800円、当日券6300円。それでもちゃんと興行が成り立つとすれば、ケラの吸引力は大変なものだ。


[上演記録]
劇団健康「トーキョーあたり」
下北沢・本多劇場(8月6日-28日)8月5日プレビュー公演

作・演出・音楽
ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演(五十音順)
犬山イヌコ、大堀こういち、KERA、新村量子、手塚とおる、藤田秀世、峯村リエ、みのすけ、三宅弘城、横町慶子

Posted by KITAJIMA takashi : 10:10 PM | Comments (0) | Trackback

September 01, 2005

三条会「ニセS高原から」

こまばアゴラ劇場の企画公演、「ニセS高原から」三条会編のレビューをUPしました。
三条会の芝居は今回で二作目の観劇ですが、前回以上に衝撃を受けました。本家「S高原から」を見ていなかったからこそ楽しめた部分もあったと、一人で勝手に思っています。
逆に見ておけばよかったなと思ったポツドール編はまた後ほど。
おはしょり稽古より「デジタル・ピカソ」

Posted by : 03:36 AM | Comments (0) | Trackback
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